最近の夜職SNSを見ていて、少し引っかかることがある。
「痛客をいじる」
「メンヘラ客をバッサリ切る」
「こんなお客には来てほしくない」
そういう発信をよく目にする。
コメント欄には、
「めっちゃ共感」
「強すぎて好き」
「こういう女になりたい」
そんな言葉が並んでいる。
見ている子たちが憧れる気持ちはわかるよ。
颯爽としていて、強くて、ブレなくて、かっこいい。
言いたいことをはっきり言っていて、選ぶ側に立っているように見える。
でも、あれをそのまま真に受けて真似したらいけない。
そういう発信を見て、
「キャバ嬢ってこういう感じでいいんだ」
「嫌な客はバッサリ切ればいいんだ」
「痛客は馬鹿にしていいんだ」
そう思って、現場で同じことをやろうとしている子に伝えたい。
そもそも、インフルエンサーと君は、立っている場所が違いますよ~!!
トップの言葉を、普通のキャストが真似してはいけない
もちろん、あの人たちが悪いと言いたいわけじゃない。
トップまで行った人には、そこまで行っただけの努力も実力もある。
強いことを言えるだけの結果も背負っている。
売上も、キャリアも、ブランドもある。
だから、言葉に重みが出る。
たとえば「ラストコール」みたいな、トップキャストが出てくる番組がある。
ああいう番組に出ている子たちが強いことを言っても、それが成立する理由がある。
結果を出しているから。
指名客がいるから。
店の売上を支えているから。
それだけのキャリアがあるから。
だから、ある意味で「選ぶ側」に立てる。
しかも、番組には演出もある。
切り取り方もある。
炎上させてバズらせるためのキャラとして機能している部分もあると思う。
つまり、あの発信は、
「現場で最初からそう振る舞っていたから売れた」
というより、
「売れたから、あの立場でそれが言える」
という側面の方が大きい。
ここを間違えてはいけない。
99.9%のキャバ嬢はあっち側ではないってことを。
まだ指名が安定していない。
まだフリーから場内を取る力を磨いている途中。
まだお客さんとの距離感も、会話の組み立ても、営業の仕方も勉強中。
そういう子が、トップやインフルエンサーの言葉の表面だけを真似してしまう。それで良いんだと思ってしまう。
そこが一番危ない。
お客さんを見下す目線は、必ず伝わる
「痛客が来た」
「こんな失礼な客、無理すぎ」
「メンヘラ客の見分け方」
「金使わない男に価値ない」
SNSではウケる。
数字も伸びる。
「あるある」として共感される。
でも、現場でそういう目線を持っていたら、お客さんには伝わる。
確実に伝わる。
人間って、自分が下に見られているかどうか、すごく敏感に感じ取る。
言葉にしていなくても、態度に出る。
表情、目線、相づち、
接し方に滲み出る。
お客さんは馬鹿じゃない。
「この子、俺のこと面倒くさいと思ってるな」
「この子、俺のこと下に見てるな」
そう感じた瞬間、二度と来ない。
逆に言えば、
「この子は俺のことをちゃんと見てくれている」
「この子といると、自分がイケてる気になれて心地いい」
そう感じたお客さんは、また来る。
それがキャバクラの本質だと思う。
「お客さんを教育する」という言葉の危うさ
最近よく見る発信で、一番危ないと思うのが、
「お客さんを教育する」
という考え方だ。
「お客さんを教育しましょう」
「ちゃんと自分のルールを守らせましょう」
もちろん、言いたいことはわかる。
距離感のおかしいお客さんもいる。
失礼なことを言ってくるお客さんもいる。
こちらの優しさにつけ込んでくる人もいる。
何でも我慢しろと言いたいわけじゃない。
嫌なことは嫌でいい。
危ないお客さんは避けていい。
手に負えないお客さんは、黒服に相談すればいい。
店に任せればいい。
でも、それと「お客さんを見下す」は全然違う。
自分に合わないお客さんを黒服に相談することと、SNSで馬鹿にすることは違う。
距離感を守ることと、上から教育しようとすることも違う。
そもそも、人は自分の思うようになんて動かない。
お客さんを自分の理想通りに変えようとするほど、こっちが疲れる。
キャバクラは、お客さんを裁く場所じゃない。
承認されたくて来ている人がいる。
寂しさを埋めに来ている人がいる。
「すごいね」と言ってもらいたくて来ている人がいる。
見栄を張りたくて来ている人もいる。
全部が美しい動機じゃなくていい。
むしろ、綺麗じゃない欲や弱さも含めて、人間だと思う。
その欲求や感情を理解して、上手に扱うのがこの仕事なんじゃないか。
君はインフルエンサーじゃない
そう、君はインフルエンサーじゃない。
炎上しなくていい。
バズらなくていい。
強い女のフリをしなくていい。
お客さんを裁かなくていい。
痛客をネタにして笑いを取らなくていい。
まず、目の前のお客さんを大切にしてほしい。
そのお客さんが何に興味があるのか。
何を話したいのか。
何をされたら嬉しいのか。
何を認めてほしいのか。
それを考えながら一緒にいる時間を作れたら、お客さんは思う。
「この子といると、自分が少しイケてる気がする」
「なんか心地いいな」
「また会いたいな」
結局、それが全てだ。
それが君の売り上げにつながる!


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