シャンパンを入れてもらえる子と、なかなか入れてもらえない子がいる。
これは別に、不思議な話ではない。
見た目や会話の上手さ、お客様との相性、その日の空気。
いろいろな要素がある。
シャンパンそのものに違いはない。
違うのは、その席にいる「人」と、そこまでに積み上がってきた関係値だ。
はたから見たら、お客様は、急にお金を使っているように見える。
でも実際には、その前から気持ちは少しずつ動いている。
この子には使ってもいい。
この子に入れたら、意味がある。
そう思えるだけの何かが、普段の接し方や会話の中に積み上がっている。
これは、キャバクラだけの話ではないと思う。
同じ商品でも、売れる人と売れない人がいる。
同じサービスでも、選ばれる人と選ばれない人がいる。
同じ値段でも、「この人から買いたい」と思われる人がいる。
人は商品にお金を払っているようで、最後は人にお金を使っている。
では、人はどんな人にお金を使いたくなるのか。
その理由を、少し考えてみよう!
人は商品ではなく、その人が作る体験にお金を使う
あなたにも、このような経験はないだろうか。
同じような美容院でも、「あの人に切ってほしい」と思うことがある。
同じような飲食店でも、「あの店員さんがいるからまた行きたい」と思うことがある。
車や保険を選ぶときも、条件だけなら他にも選択肢はあるのに、「この人から買いたい」と感じることがある。
もちろん、商品そのものの価値は大事だ。
美味しくない料理を、接客だけで何度も食べに行くのは難しい。
技術のない美容師に、ずっと髪を任せるのも難しい。
だから、商品やサービスの質は土台になる。
でも、同じ商品でも、誰が担当するかで体験は変わる。
同じ美容院でも、ただ髪を切るだけの人と、こちらの好みを汲み取ってくれる人では、帰るときの満足感が違う。
同じ飲食店でも、料理は同じでも、接客ひとつで気分は変わる。
同じ車や保険でも、説明のわかりやすさや、不安への向き合い方で、「この人から買いたい」という気持ちは生まれる。
人は、商品だけを買っているのではない。
その商品を通して受け取る体験まで含めて、お金を払っている。
ちゃんと話を聞いてくれる。
自分のことを覚えてくれている。
無理に売ろうとしてこない。
こちらの気持ちを大切にしてくれる。
そういう小さな積み重ねがあると、人は安心してお金を使える。
逆に、どれだけ商品が良くても、相手の態度が雑だったり、売りたい気持ちばかりが見えたりすると、お金を使う気持ちは少し冷めてしまう。
売っているものは同じでも、受け取る体験は人によって変わる。
だから最後は、「何を買うか」だけではなく、「誰から買うか」になる。
商品が選ばれているようで、実はその人が作る体験が選ばれている。
そこを見落とすと、お金の動き方は見えにくくなる。
お金を使いたくなる人は、信頼残高を積んでいる
人間関係には、「信頼残高」という考え方がある。
銀行口座にお金を少しずつ貯めるように、人との信頼も日々の関わりの中で少しずつ積み上がっていく。
そして、お金はその信頼残高から動いていることが多い。
人は、信頼していない相手には気持ちよくお金を使えない。
どれだけ商品が良くても、どれだけ話が上手くても、どこかに不安や違和感があると、最後の一歩が出にくい。
逆に、信頼残高がある相手には、お金を使う理由が生まれやすい。
この人なら大丈夫そうだ。
この人に任せても嫌な気持ちにならなそうだ。
この人なら、使ったお金をちゃんと意味のあるものにしてくれそうだ。
そう思える相手には、人はお金を使いやすくなる。
お金を使ってもらえる人は、その場だけが上手い人ではない。
売る瞬間だけ頑張っている人でもなく、普段から信頼残高を積んでいる人だ。
お金は、突然動くように見えて、実はそれまでに積み上がった信頼から動いている。
「この人に使いたい」は、テクニックではなく、関係性の結果なのだと思う。
使った後に「使ってよかった」と思わせられる人
お金を使ってもらう前の関係性も大事だが、使ってもらった後の対応も同じくらい大事だ。
人は、お金を払った瞬間だけで判断しているわけではない。
その後にどう感じたか。
最後にどんな印象が残ったか。
そこまで含めて、「また使いたい」かどうかを決めている。
心理学には、ピーク・エンドの法則という考え方がある。
人は体験全体を細かく覚えているというより、一番感情が動いた瞬間と、最後の印象を強く覚えやすいという考え方
これは、接客や営業にもかなり当てはまると思う。
商品を買った後。
サービスを受けた後。
契約した後。
その後の対応が丁寧だと、人は安心する。
「この人にお願いしてよかった」
「またこの人に頼みたい」
「次もここでいいな」
そう思いやすくなる。
逆に、お金を使った瞬間だけ丁寧で、その後に雑になると、人はすぐに冷める。
売ったら終わり。
入れてもらったら終わり。
契約したら終わり。
そう感じさせてしまうと、次はない。
お金を使った後のアフターケアは、次の信頼を作る。
小さな一言。
確認の連絡。
約束を忘れないこと。
こういうものが、リピートや継続につながっていく。
一度お金を使ってもらうことより、使った後に「よかった」と思ってもらうことの方が、長い目で見るとずっと大事なのかもしれない。
人は、何にお金を払ったかだけではなく、その後どう扱われたかを覚えている。
いかがだっただろうか。
人は、ただ商品にお金を払っているわけではない。
その人が作る体験や、普段から積み上げてきた信頼にもお金を払っている。
だから「この人に使いたい」と思われる人は、売る瞬間だけを頑張っているわけではない。
結局お金は、日頃の関係性に戻ってくるのだと思う。


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